2018年01月09日

グッド・ルーザー(良き敗者)

優勝したチームに素直に拍手を送る
表彰台から目を逸らさず、ぶっちょう面をしない
プロの世界でもあまり見ない、出来そうでなかなかできないことだと思います。

1月8日、ダノンカップ予選終了後、レッズランドから駆けつけるように
全国高校サッカー選手権決勝を埼玉スタジアムまで選手とともに応援に行きました。
延長になるだろうと思われたロスタイムの失点は会場の雰囲気を最高潮にする反面
敗者にとってはこれ以上ないダメージを心に負ったことだと思います。
テレビカメラは勝者を映し出すであろう予測の元、僕の目線は自然と負けた選手たちへ向けました。

彼らがどんな態度で試合を終えるのか。

うなだれる選手もいなかったわけではありません。
でも中心選手の一人は真っ先にセンターサークルに向かい誰よりも早く整列の準備をしました。
キャプテンはほとんどの選手がセンターサークルに足取り重く向かう中、
それでもまだ下を向く選手を起こし、胸を張って前を向くよう腕を取りました。

彼らは毅然とした態度がとれる“グッド・ルーザー”でした。

本田先生の教えをきちんと理解し、それを支えるスタッフ陣の指導の賜物だと思います。

負けた相手の気持ちを慮ることができたら、負けても他者に不快感を与えるような態度はしません。
そんな選手の姿をみたら、誰しもが爽快感を持つだろうし、よりシンパシーを感じます。
最後の舞台の決勝。たぶん誰だって負けたら悔しい。
でも、そこでスポーツマンシップ溢れる態度をできるかどうかで、一流選手かどうか測られるのではないでしょうか。

 最近、子どもの試合などでも、大人が一生懸命になるがあまり、平気で相手に野次を飛ばしたり、応援しているチームに対しても子どもの失敗を責めたり、指導者を無視してグランドへ向けて戦術的な言葉がけをしてしまう大人を多く見かけます。(うちのクラブにはいないとは思いますが)

それでは、スポーツマンシップを育むどころか、自立心や意欲、失敗を恐れない強い気持ちまで削いでしまいます。
僕たち大人は、子どもたちが勝敗を自分の中で消化し、他者の失敗を許す気持ちや、相手の勝利や成功を喜んであげられる包容力を負けず嫌いの状況を育みながら、学ばせないといけません。

それはもしかしたら、勝つこと以上に大切なもの。

子どもは大人の態度を見て学びます。
今は僕も子育て中なので本当に強く思いますが・・・。

勝っても負けても、相手を思いやれる大きな心と強い精神力――。
うちのクラブの選手たちには、良き勝者であり、良き敗者でほしいと願っています。

皆様、本年も宜しくお願い致します。
posted by fba at 15:04| フリーボイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする